成長痛.comは成長期の多くの子供がかかえる悩みのひとつである成長痛(英語growing pains)に関する知識を出来る限りわかりやすくまとめた専門サイトです。
成長痛という言葉の概念は成長期の子供に訪れる症状の総称的な意味合いをもつようになってきており、どの部分までが成長痛であるのか?については医学的にも明確な分類はなされておりません。
当サイトでは、そのような定義などにこだわらず、幼児期から思春期にかけての子供に多く発症する痛みを伴う障害を部位別にまとめながら記事の加筆を加えてまいりました。
成長期の子供が抱える痛みの原因の多くは成長期特有の「骨端部分のもろさ」が原因となって障害を発症してしまっているケースが大半です。
骨の成長元となるこの骨端部分は骨と比較すると柔らかい軟骨組織でできている為、大きな負荷を受けると炎症を起こすなどのダメージを受けてしまうことが多くあるのです。
これは多くの成長期の障害に共通して関連していることでもあり、これらの骨端部分に関わる疾患は骨端症と呼ばれ、成長痛の多くのケースでこの骨端症を伴うケースが確認されます。
その為、逆に幾つかのパターンを覚えていくと対処法や処置法にも類似している部分が多い為、より理解も深まりやすくなると言えるかもしれません。
成長痛という言葉は、比較的広く知られている言葉のひとつ。
この成長痛は、思春期を迎えた子供が成長する際に痛み症状を伴う病気や疾患の総称として「成長痛」と呼ばれてきたんだ。
しかし、現在、医学的な見解では明確な成長痛の定義はまだなされていない。
※成長痛とは成長期の子供に発症する痛みを伴う病気の総称であり明確な病気の定義は存在しない
但し、幼児から中高生の成長期にかけて「特有の症状や特徴をもつ痛み」が見られる傾向にあり、これらの症状を現在では「成長痛」と呼んでいるんだよ。
成長痛の症状として具体的にどのような症状があるのかについてチェックしてみよう。
成長痛と呼ばれる症状を発症する一般的な症状の特徴としては主に以下のような特徴がある。
【成長痛の症状の特徴とは?】
☆夕方から朝方にかけて下肢の膝のまわりに痛みを感じる
☆足のかかと部分に痛みを生じる
☆股関節や足の付け根部分に痛みを感じる
☆足の甲部分に痛みを生じる
このような特徴を見てみると成長痛は主に下半身に痛みを訴えやすい傾向にあることが見てとれるね。
尚、この中でも子供が最も症状をうったえる部位は「膝」で膝の痛みは2歳・3歳・4歳などの幼児期の子供にも成長痛と見られる膝の痛みを伴う症状がしばしば確認されるんだよ。
一般的に広く知られている原因不明の成長痛の場合、痛みの持続時間は短くて30分程度が基本。
5分程度で痛みが治まっては、数分後にまた膝が痛み出すようなケースもあり症状の現れ方も個人差があるけれど、多くのケースでは長くても1時間程度…
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先日、「膝が痛いよう〜」と激しく泣いていた子供が、翌日になるとまるでウソのように元気に遊んでいる。
これは本当によくあるケース。もしかして成長痛かな?と思って心配していた親の方なら、このような不思議な状況を一度は体験しているかもしれない。
このケースの場合は、その痛みの原因に自律神経との関連が考えられるんだ。
自律神経?う〜ん自律神経って何度も耳にしたことはあるけれど…いったいどんな神経だったかなぁ?
自律神経とは、その名のとおり本人の意思を介さずに働いてくれている神経の事を指すんだ。
例えば体温が温まり暑いと判断した時は、自律神経が上手に働いて体からは汗をかく。汗は蒸発する際に熱を奪ってくれるから体温を高くしすぎることなく生活することができるよね。
このように自然に体の機能調節を行ったりホルモンの分泌を調節したりする神経が自律神経と呼ばれる神経なんだよ。
成長痛と自律神経系の関連性が検討されてきている理由についてみて見よう。
成長痛を訴える子供の統計的データを見てみると以下のような条件にあてはまる子供に心意性の成長痛を発症している傾向が見られている。
心意性の成長痛を感じやすい子供
☆神経質な子供
☆兄弟がいる場合は上の子供
☆甘えが強い子供(あまえんぼう)
このような状況下にある子供は、自分でもわからない不安を抱えている事が多い。
その為突然泣き出してしまったり、弟、もしくは妹をかんでしまうなどの不安定な状態が続きなかなか治らない場合も多いんだよ。
これらの行動をおこしてしまう瞬間は、本人は無意識状態にあり自分でコントロールが出来ない状態。
だから、例え叱っても、根本を解決しない限り、突発的な行動が治る事も残念ながら見込み辛い。
自律神経などからくる痛みの対処法としては、まず何よりも「子どもを安心させてあげる事」が大切なんだよ。
子供が転んでしまって泣いてしまった時。こんな時は昔から使われている「痛いの痛いの飛んでけ〜」という言葉をかける事が多いよね。
あ〜懐かしい!ママがいつも撫でながら言ってくれてたよ。なんかとっても安心する言葉だったように感じるなぁ。
この魔法の言葉は、自律神経が原因と考えられる成長痛にはとても有効でそれだけで痛みが無くなってしまうことさえもあるんだ。
もし、このような魔法の言葉で膝の痛みなどが治ってしまった場合は精神的なものから来る痛み…
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疲労性・ストレス性の成長痛とはいったいどんな成長痛なんだろう?
うん、この疲労性・ストレス性に分類される成長痛は、慢性的な過度な運動による痛み、そして急激に体の組織が成長する際に人体の各部位が牽引される(引っ張られる)事によって極所的にストレスを生じることによって障害が生じるケースがある。
どちらも成長期の子供だからこそ発症してしまう病気で、体や骨の構造上どうしても弱点となってしまう部分に症状を発症する傾向にある点が大きな特徴とも言えるんだ。
医学的な見解では、このような人体的な成長過程の構造上によって生じる痛みを「成長痛」と呼ぶことが主流。
一般的な名前として定着している「成長痛」という言葉は正式名称として「骨端症」と言う呼び名が付けられている。
この骨端症と呼ばれる病気は成長期の子供たちに特に多く発症する病気であること。また成長に関係する骨組織の障害であるという点から、「成長痛」の語源とな っていると考えられているんだよ。
尚、骨端症はその名のとおり、骨の先端部分に痛みを生じる障害のことで骨端症を生じる部分には骨端線と呼ばれる骨の成長線が確認されるんだ。
骨は縦に長く伸びる時は、骨の先端にある骨端軟骨と呼ばれる軟骨組織が成長することによって伸びていく。
この時に、この軟骨部分に継続的な疲労やストレスが加わると、骨は十分に成長することができなかったり、時には怪我を発症してしまうことになる。
このような成長過程で生じる痛みが骨端症の特徴でさまざまな部位に生じる可能性をもっている。
中でも特に多いのが膝の痛み、そしてかかとの痛みと言われているんだ。
成長痛は成長期の子供であれば誰にでもこの痛みが訪れる可能性は検討できる。
中でも成長期の子供で毎日のようにスポーツをバリバリ実践している子供の場合は特に疲労や骨の位置部位へのストレスが過剰となることから成長痛を発症しやすい傾向にあると言えるんだ。
また、第2時成長期を迎えている子供の場合は、男子の場合はこの時期に筋力も大きく向上してくるもの。
これは「成長ホルモン」の分泌量の変化…
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成長痛の主な原因は骨の成長期にあたる時期になんらかの原因で骨の骨端部分にダメージが生じるもの。
骨は、成長期の骨は1年で平均何センチ伸びる?の項目でも解説しているとおり骨の先端にある骨端軟骨と呼ばれる組織が成長することによって伸びているんだ。
しかし成長期の子供の骨端軟骨の成長力は、想像以上の速さで成長している。
この想像以上に早い成長過程において骨端軟骨部分に何らかの痛みが生じるのが子供の踵や膝の痛みの原因のひとつになっているんだよ。
子供の時はどんどん身長が伸びていくものねぇ。
うん、中でも特に多いのが膝の痛み、そしてかかとの痛みだね。
子供の成長痛の痛みが発生する原因について考えて見よう。
成長痛は特に激しいスポーツをしていない子供であっても痛みを発症するケースが多くある。
この原因は、急激な骨端軟骨の成長による、人体への肉体的ストレスが原因なんだ。
骨は筋肉の末端組織にあたる「腱」と呼ばれる組織に付着している。
体育のストレッチ体操でもアキレス腱のストレッチなどがあるけれどアキレス腱も腱のひとつだね。
この腱組織は骨の特定部分に付着し、筋肉の運動エネルギーを伝え骨格の運動につなげているんだよ。
この際、骨が急激に成長すると、腱を通じて筋肉を引っ張りはじめるようになる。
この結果、骨と腱の結合部分に炎症などが生じる事が成長痛の痛みの発生のメカニズムのひとつとして考えられているんだ。
成長痛ってスポーツをする子供の方がなんとなく成長痛になりやすい気がするんだけどなぁ・・・
前項で紹介したように、成長痛の痛みはスポーツをしていない子供であっても痛みを発症する可能性がある。
しかし、成長痛の発症の特徴としては活発な運動をする子供の方がその発症率は高くなっているんだ。
では、なぜスポーツなど運動を活発にする子供の方が発症率が高まってくるのだろうか?
この原因は局所的なストレスの継続が主な原因になっているんだよ。
子供の場合はまだ骨格が出来上がっていない為、例えば野球選手であれば投球動作の繰り返しで膝や背中などに痛みを訴えるケースもある。
バレーボール選手であればスパイクを打つ際の捻り動作で腰や背中、跳び上がる際には膝や足関節に負担がかかる。
スポーツアスリートが動作を行う際には筋肉の収縮が関与している点をまず覚えておく必要がある。
スポーツをしている子供がかかとの痛みや膝の痛みを発症しやすい原因は筋肉の筋出力のメカニズムが関係している。
筋肉が力を発揮する際には大きく3つの種類の筋出力方法がある。
その3つの筋出力方法とは
●筋肉を縮めながらパワーを発揮
●筋肉を伸ばしながらパワーを発揮
●筋肉の長さを維持しながらパワーを発揮
と簡潔にまとめると以上3つのケースで筋肉は運動エネルギーを発揮する。
そして、通常のスポーツ活動で主力となる運動エネルギーの発生方法は、
●筋肉を縮めながらパワーを発揮
する方法が最も多く活用される方法となっている。
この筋出力方法では、筋肉が縮む際に腱を腱を通じて骨を引っ張ることになる。
この骨を引く作用が、骨と腱の付着面…
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成長期の子供が踵の痛みを訴えるケースの多くでは踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)と呼ばれる踵の骨の障害を発症している可能性が最も大きいんだ。
踵骨骨端症(踵骨骨端炎・シーバー病・セーバー病とも呼ばれる)とは、踵骨(かかとの骨)の先端部分に衝撃や圧力が加わる事によって、骨に微小な骨折が起きたり骨膜に炎症を発症したりする障害のことを言うんだよ。
かかとって丈夫なイメージがあるんだけどなぁ。ねぇねぇ、かかとの骨ってそんなに簡単に痛みを感じたり、骨折しちゃったりするものなの?
うん、踵は確かに構造的には強い部分なのは確かだよ。格闘技の世界では踵落としなんて技術があるくらいだからね。
でもね、成長期の子供の踵の場合は話が別なんだ。
子供の場合は話が別?
うん、成長期の子供の踵の骨の先端部分には骨端成長板(こったんせいちょうばん)と呼ばれる組織がある。この骨端成長板は文字通り骨が成長する為に重要な部分で、この骨端成長板があるおかげで骨は大きく成長していくことができるんだ。
※骨端成長板部分から骨は成長する。骨端成長板が骨の両端に見えるライン=線を骨端線と呼ぶ
骨端成長板をレントゲンで見てみるとちょうど薄くなっていて骨が浮いたように見えることがある。しかし、この骨端成長板がしっかりと開いた状態であるのは成長期の期間だけ。大人になるにつれてこの部分は薄くなっていき、最終的にはわずかな骨端線だけがレントゲンで確認できる程度になっていくんだよ。
なるほど〜。わかったような、わからないような。でもどうしてかかとの痛みが出てくるのかなぁ。
そうだね、ではもう少し詳しく骨の成長の仕組みについて見ていくことにしよう。
骨は骨端線のある部分から縦方向に伸びるように大きく成長していく。しかし、この骨端線部分の組織はしっかりと骨が結合されるまでの期間は骨よりもやわらかい軟骨組織で出来ている。
※成長期の子供の骨端線部分は柔らかい軟骨組織で構成されている
その為、バスケットボールやバレーボールなどのスポーツ選手が繰り返しジャンプの着地を繰り返したりすることで踵部分に大きな衝撃が加わると柔らかい軟骨組織は衝撃によって痛んだり、先端部分に小さな断裂を起こしたりしてしまうんだ。
また、長距離マラソンや、部活動の外練習などでのランニングなどでも靴のサイズが自分の足にフィットしていなかったり、アスファルト路面を走り続けたりした場合は、やはり踵へストレスが継続的に加わることで痛みを発症する事があるんだよ。
骨の成長過程であるからこそ発症するのが踵骨骨端症。まさしく成長期特有の弱点とも言えるかもしれないね。
この踵骨骨端症は基本的に手術などを行う必要性がない疾患のひとつなんだ。しかし、痛みは長期的に継続しやすい傾向にある病気でもある。完全に治ったと思っても運動を行うとまた痛みを再発する可能性を持つ病気でもあるんだよ。
その為、治療法は原則として「安静」が基本中の基本。
この期間は痛みが強い場合は患部に炎症を発症している証拠だから「アイシング処置」を行ってゆっくりと過ごすのが良いね。
運動盛りの子供がこの時期に安静にしているのは意外と難しいものでもあるけどね、患部の炎症が治まるまで、我慢するしかないんだ。
尚、安静を保っていると痛みが軽減してくる。歩いたりしても踵に痛みを感じなくなるのは、3日程度の期間が必要。但し、この時期に運動を再開すると痛みが再発してしまう可能性がまだ高い。競技への完全な復帰は様子を見ながらになるけれど最低でも一ヶ月はかかると思った方が良いかもしれないね。
踵骨骨端症を発症してしまっても痛みをこらえながら運動を継続することは可能。でも運動を始めて数分〜数十分程度で少しずつ足裏から踵、そしてアキレス腱の付着部位あたりにかけて痛みを発症する様になる。
この痛みはスピードのあるランニングや、ダッシュ動作、ジャンプ動作などの繰り返しで痛みがどんどん増してきて、最終的にはやはり練習中に強い痛みの為、走れなくなってしまうことになる。
踵の痛みを起こしやすい動作・運動
☆ダッシュ動作
☆ジャンプ動作(ジャンプ後の着地も含む)
このパターンをもし繰り返しているようであれば、継続的な骨へのストレスは最終的に疲労骨折…
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痛みを発症している部位によって、どのような障害を発症している可能性があるのか?など以前の構成よりは探しやすくなってきたかと思います。